ウエスト・サイド物語 (1961):映画短評
ウエスト・サイド物語 (1961)時を経て「薄れない革新性」は、世界の映画史でもトップ!
スピルバーグにリメイクを決意させた60年前の革新性は、いま観ても薄れていない。クラシックバレエの動きを基に、ストリートの若者に踊らせる。「躍動」と「エネルギー」の尋常ならぬ相乗効果を、計算しつくしたアングルとカメラワークで捉え、「突然踊る」ミュージカルの違和感さえ武器にした。
名曲の数々、社会派テーマは言わずもがなだが、オリジナル舞台でも最高に盛り上がる、決戦前のクインテット(五重奏)は、5カ所を同時進行させ、映画全ジャンルの中でもテンション爆発の最高の見本と断言。
俯瞰でとらえるマンハッタンに、現在に至るNY社会の歴史を重ねれば、映画の枠を超え、今作自体がひとつの「文化」だと実感できる。
この短評にはネタバレを含んでいます