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ロスト・イン・トランスレーション (2003):映画短評

ロスト・イン・トランスレーション (2003)

2004年4月17日公開 102分

ロスト・イン・トランスレーション
猿渡 由紀

ソフィア・コッポラの目で見た、正直な東京

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

今作が劇場公開された時に「日本をばかにしている」という日本人の感想も聞いたが、それは完全な間違い。これはソフィア・コッポラの、また来日したほかの欧米のセレブらの体験を正直に語るもの。東京を舞台にした作品に出てきがちな花やしきも出ず、渋谷の交差点もちらっとだけというのも、コッポラが観光客ではなく、来日経験豊富で、いつも地元の人に案内されていることの表れ。日本語のセリフにあえて英語字幕をつけないのも、それが彼女らの体験だから。映画でビル・マーレイが言うように、東京は「とても違う場所」。そこにいる孤独感、そこだからこそ生まれるつながりを語るから、多くの共感を呼んだのだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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