サイドウェイ (2004):映画短評
サイドウェイ (2004)ビッグスターを蹴ってこのふたりをキャストしたことに拍手
ワインがらみの映画と聞くとかっこつけたイメージを持つかもしれないが、そうではない。ワインは主人公マイルズの人間性を深く見せる要素であり、メタファーなのだ。小説も書けばワインにも詳しいのに、冴えない中年バツイチ学校教師として人生に不満を抱えている彼。一方で彼の親友は良くも悪くも楽しみ方を知り尽くしている。そんなふたりのぶつかり合いが、絶妙なユーモアを生み出す。これらの役は、ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットがやりたがったそうだが、あえて断ったアレクサンダー・ペインに大拍手。原作小説からかなりかけ離れた、笑い、ほろ苦さ、優しさにあふれるオリジナルな脚本に仕上げたことも絶賛したい。
この短評にはネタバレを含んでいます