SPL/狼よ静かに死ね (2005):映画短評
SPL/狼よ静かに死ね (2005)これぞ、『イップ・マン』シリーズへの布石
ある種、水と油だったドニー(・イェンの)アクションとウィルソン・イップ監督特有の人間ドラマが融合。これが後の『イップ・マン』シリーズに繋がったのは言うまでもない。死亡フラグ立ちまくる殺気立つキャラたちに、三級(成人)指定(日本はR15)になったヴァイオレンス描写ゆえ、韓国映画ばりのハードさであり、ナイフ使い役でブレイクしたウー・ジンとともに、ハットの殺し屋を演じた谷垣健治の不敵な笑みも印象的だ。今のドニー作品では考えられない“純粋な香港映画”だからこそ生まれた奇跡の93分といえるが、「敵対する3人」「父親」などの要素が、後のシリーズに継承される“香港映画らしくなさ”も興味深い。
この短評にはネタバレを含んでいます