恋人たちの予感:映画短評
恋人たちの予感ラブコメ全盛時代も、この作品はちょっと新鮮だった
男と女の間に友情は成立するのか? 今では古くさく感じるこのテーマも、当時のラブコメ全盛の空気の中では新鮮だった。ラブコメの女王と騒がれたM・ライアンは、他作でもT・ハンクスなどロマンチックな雰囲気が希薄な相手が多いが、その中でも今作のB・クリスタルと“恋人になる予感”はわずかしか感じられず…。ゆえに肉体関係後も友情に止まる関係性は十分に説得力アリ。
同時に、合間に挿入されるリアルなシニア夫婦のインタビュー(いま観ても微笑ましい!)が、結婚生活のロマンチック不要論を後押し。主人公二人のハッピーな結末を予感させる。NY映画としても極上で、秋から年末にかけたマンハッタンは世界一美しいと伝える。
この短評にはネタバレを含んでいます