サタデー・ナイト・フィーバー (1977):映画短評
サタデー・ナイト・フィーバー (1977)青春の光と影、格差社会の現実を映し出すディスコ映画の金字塔
世代を問わず全米の老若男女が熱狂した’70年代のディスコ・ブーム。その最盛期に誕生した金字塔的な映画だが、しかし単なるトレンド便乗企画とは一線を画する作品と言えよう。低所得者層が暮らすニューヨークの下町、週末のダンスフロアで束の間のスター気分を味わうことしか生き甲斐のない貧しい若者が、夢も希望もない惨めな生活と向き合い成長していく姿を描く。劇中のディスコ・カルチャーは時代を感じさせるものの、青春の光と影、格差社会の現実を浮き彫りにしたストーリーは今なお色褪せない。テレビドラマでブレイクし、本作で名実共にトップスターとなったジョン・トラヴォルタも素晴らしく魅力的だ。(ザ・シネマにて5月放送)
この短評にはネタバレを含んでいます