プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 (2012):映画短評
プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 (2012)与えられたくなかった宿命が引き起こす苦悩と哀しみ
本来なら接点がないはずの主人公ふたり。2時間20分ある今作で、一緒に出るのもごくわずか。だが、その短い接触が “宿命”を与えることになる。そんなふたりのそれぞれの事情、心情を、時間をかけ、ていねいに描いていくのが今作。どちらにも苦悩があり、それは彼らのそばにいる人たちにも影響を与える。その連鎖がまた、観る者を切なくする。途中でひとつのストーリーが終わったように感じさせ、じわじわとそうではなかったと見せていくその構成は、ある意味大胆でもあり、非常に効果的だ。デレク・シアンフランスにはまだ3本しか監督作がないが、ほかの2本も大傑作。今後も多くの物語を語り続けていってもらいたいと思う。
この短評にはネタバレを含んでいます