ストップ・メイキング・センス (1984):映画短評
ストップ・メイキング・センス (1984)ステージ上でその時だけ生じるエネルギーが、熱く、大きい
1984年のトーキング・ヘッズの名作ドキュメンタリーの4Kレストア版をA24が全米公開、日本でも2月2日から公開に。
『アメリカン・ユートピア』を経た今見ると、あの作品のまだ荒削りな原型にも見えて興味深いが、それ以上に驚かされるのが、隅まで設計された『アメリカン~』とはまるで異質の、構想とは関係なくステージの上で起きた偶然の事態によって生じる、その時限定のエネルギーのようなものの熱さと大きさ。それを、引きの映像がほとんどない、常に被写体の動きを間近から捉える映像が映し出す。並行して、ジョナサン・デミ監督の視点が、デヴィッド・バーンがミュージシャンというより表現者であることも明らかにする。
この短評にはネタバレを含んでいます