俺俺 (2012):映画短評
俺俺 (2012)監督の人選ミスで、亀梨和也の魅力も半減
デビュー作からほとんどの作品を年間ベストに入れるほど、三木聡監督作を溺愛する人間にとっては、この原作は受けてほしくなかった…。毎度おなじみの小ネタが連続する脱力系な前半から本筋に入るや否や、じつに単調な流れになる。要は本作の肝になるはずのサスペンス演出が上手くないのだ。原作の持つシュールさと三木監督十八番の脱力系とは、似て異なるものというものに、誰も気付かなかったのか? そのため、『ベム』と違って活き活き演じている亀梨和也の魅力も半減。とにかく「もったいない」の一言だ。これでは「世にも奇妙な物語」の1エピソードとして撮った方が、尺が短いし、いいんじゃね?
この短評にはネタバレを含んでいます