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ブロークンシティ (2012):映画短評

ブロークンシティ (2012)

2013年10月19日公開 109分

ブロークンシティ
(C) 2012 Georgia Film Fund Seven LLC and Monarchy Enterprises S.a.r.l.
なかざわひでゆき

主演陣を食いかねないアローナ・タルの好演

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 いわくつきの過去を持つ元警察官の私立探偵が、ニューヨーク市長の汚職と悪事を暴き出す。マーク・ウォールバーグにラッセル・クロウという顔合わせは確かに魅力的なのだが、お約束の裏切りやら罠やらを散りばめたストーリーは極めて意外性に乏しく、残念ながらスターパワーをもってしても凡庸な脚本を救うことはできなかった。ハリウッドの場合、今やこの種のポリティカル・サスペンスはテレビドラマの方が断然面白い。

 しかしながら、主人公の秘書ケイティに扮するアローナ・タルの好演は特筆しておくべきだろう。映画ではまだまだ馴染みの薄い女優かもしれないが、海外ドラマ・ファンなら「スーパーナチュラル」の美少女悪霊ハンター、ジョー役で記憶している人も多いはずだ。

 強がりだが淋しがり、反抗的だが義理人情に厚いジョーの健気な純情をさらに際立たせたケイティは、恐らく本作で一番オイシイ役どころ。アローナの明るくもいじらしい演技は、下手をすると主演コンビすら食ってしまいかねないほど魅力的だ。少なくとも、キャサリン・ゼタ・ジョーンズよりもヒロインらしい輝きを放っている。

この短評にはネタバレを含んでいます
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