選挙2 (2013):映画短評
選挙2 (2013)いつ観るの? 今でしょ!
想田和弘監督のドキュメンタリーならぬ観察映画第5弾。『選挙』(07)に続き、知人の“山さん“こと山内和彦さんが、2011年4月に実施された川崎市議会選挙に無所属で再出馬した選挙活動を観察する。一度、自民党公認候補で出馬してドブ板選挙を体験した反省から、今回は節約選挙活動を実行。なのでカメラは、掲示板のポスターをチェックする車中の山さんのシーンがほとんどだ。だがそこで交わされる会話が実に興味深い。選挙活動費用の具体的な金額から、街頭演説などが実際どれだけ票に影響あるのか?などの体験談まで。中でも印象的だったのは米国の選挙にまつわる名言。「悪い政治家は選挙に行かない人によって選ばれる。なぜなら皆が投票に行って良い政治家を選べば、悪い政治家は当選しない」。ごもっとも。そして劇中、自民党候補者が街頭演説の撮影を拒否する問題シーンがある。『選挙』に登場した議員だが、作品に不服だったのだろう。自民党はこのほど、TBS系のニュース報道がお気に召さず取材拒否を発表したばかり。相手をギャフンを言わせるくらいの当意即妙な対応をしてこそ政治家だろうが。拒否とは大人げない。非常事態が起こった時の言動こそ、その人の真の姿が見える。コレ、真実。