ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中 (2013):映画短評
ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中 (2013)ライター2人の平均評価: 3.5
巻き込まれた方々がお気の毒なドッキリ映画
やることなすこと罰当たりな不良ジイさんが、幼い孫息子を遠く離れた父親のもとへと届ける。…という設定のもと、行く先々のロケ地で一般人に過激なドッキリを仕掛けるリアリティ・ロードムービーだ。
悪名高き(?)ジャッカス・シリーズのスピンオフ。エロや排泄物はもちろんのこと、児童虐待から各種ハラスメント、器物損壊から死体遺棄までドン引き必至なネタの連発で、たまたま居合わせた素人のリアクションを物語に反映させていく。
こんなのに巻き込まれたらたまったもんじゃないし、倫理的にどうなの?と疑問に思わなくもないのだが、それでもついつい爆笑させられるのが憎らしい(笑)。生真面目な観客の皆さんは要注意かも。
米国も捨てたモンじゃない
本年度米アカデミー賞ノミネートのほかメイキャップアーティスト・ヘアスタイリスト組合賞でも特別メイキャップ効果賞を受賞。意外に思えるが、作品を観れば納得だ。86歳のアーヴィングじいさんに扮したJ・ノックスヴィル(42)が、孫と一緒に米国横断しながらドッキリを仕掛ける。見事に皆、騙されているのが論よりの証拠だ。
もっとも、毎度のお下劣ネタが満載で、眉をしかめる人もいるかもしれない。だがイタズラを仕掛けられた人々は、困っている様子の彼らに優しい声をかけ、騙されたと分かっても豪快に笑い飛ばすのだ。米国の殺伐とした現状を表した作品が多い中、まさかの本作でほっこり。してやられたり。