さまよう魂たち (1996):映画短評
さまよう魂たち (1996)ピーター・ジャクソン監督の妙味はここにも
ピーター・ジャクソンが本作を監督したのは、「ロード・オブ・ザ・リング」に備えて彼のVFX工房WETAデジタルの設備を拡充したかったからという説もあるが、そんな言い訳をしなくても彼は元々「バッド・テイスト」「ブレインデッド」の監督。スチュアート・ゴードン監督&ラヴクラフト原作の「ZOMBIO/死霊のしたたり」が大好きだからと主演のジェフリー・コムズを本作の奇人捜査官役に起用、ゴーストのひとりは有名シリアルキラーのオタクだったり、出てくるクリーチャーがぐちょぐちょにゅるにゅるな姿なのも、彼の初期作品でおなじみのテイスト。それでいてどこかおちゃめさを失わない妙な味こそ、この監督の魅力かも。
この短評にはネタバレを含んでいます