サッドティー (2013):映画短評
サッドティー (2013)ちょっとサッドな今泉流モラトリアム人間喜劇
前作&傑作『こっぴどい猫』でトランシルヴァニア映画祭の最優秀監督賞を受賞。80年代生まれの新鋭監督の中で既に自分のスタイルを確立しているのが今泉力哉だ。主題は「ダメ恋愛」。初期はガールズコミックの男子的変換といった印象が強かったが、絶妙な軽みを身につけ、中央線沿いのウディ・アレンみたいな作り手になってきた。
今泉の属するトライブを形容するなら“リア充文化系”だろう。浮気心や二股をモチーフとするサークル的なぐずぐずの恋愛模様は輪舞形式へと発展。本作は今泉映画の入門編として最適かも。「高田馬場のJOY DIVISION」=トリプルファイヤーの名盤『エキサイティングフラッシュ』からの選曲も最高!
この短評にはネタバレを含んでいます