娚の一生 (2014):映画短評
娚の一生 (2014)映画が面白かったので、原作マンガを買いました(笑)
筆者は「映画→原作」の順だったが、どちらの回路からでも楽しめる出来ではないか? トヨエツは絶妙なマッチョイズムと知性と包容力の融合を、ソフトな関西弁でくるんだカイエダ教授の実写版として完成度が高い。榮倉奈々は“堅さ”が◎。これはナチュラルな風景の中で、“加齢臭のしない枯れ専系”ラブストーリーを成立させた稀有な例だ。
物語は原作より随分シンプルに削ぎ落とされているが、そのぶん役者に集中できる構成で、廣木隆一監督の長回しが活きている。原発・震災の事を省いている点は評価が分かれそうだが、『RIVER』『さよなら歌舞伎町』で同じモチーフを扱った廣木監督のことだから相当考え抜いた上での判断だろう。
この短評にはネタバレを含んでいます