天空の蜂 (2015):映画短評
天空の蜂 (2015)パニック映画好きのハートをつかむ“原発版『新幹線大爆破』”
シリアス路線の堤監督作には基本ハズレが少ないのだが、今回はちょっと訳が違う。いわゆる年に数回しか劇場に足を運ばない観客向けでもある、オールスター大作をしっかり作り上げたのだから! 江口洋介演じるヘリ設計士の息子救出作戦を軸とした前半パート、綾野剛演じる実行犯の正体と共犯者の存在が明らかになる後半パートと、ほどよい緊張感が持続。そんななか、「でも、やるんだよ!」のように原作にはなかったアツいセリフが胸を突き刺す。そんな本来、堤作品とは水と油な「秘宝」テイストも注入した楠野一郎による脚本は、明らかに“原発版『新幹線大爆破』”を狙っており、うるさ型な70年代のパニック映画好きにもしっかり響くはず!
この短評にはネタバレを含んでいます