セデック・バレの真実 (2013):映画短評
セデック・バレの真実 (2013)ただ「軍国日本批判」ではない歴史認識の深さ。
原題は『セデック・バレ 余生』。「余生」とは「残された者」の謂という。プロデューサーは『セデック・バレ』の監督・魏徳聖だし、おそらくあの二部作を制作する際にリサーチはしたものの、作品からは漏れてしまった様々なものごとをドキュメントとして改めて収めた、正真正銘の“続編”だ。「霧社事件」のその後と、モーナ・ルダオら“首謀者”の子孫たちの証言、さらに部族の伝承的なルーツである巨大岩盤「プスクニ」(最後に現れる神々しき威容!)を探る子孫たちの旅を重層的に描いていくが、そのどれもが興味深い(いささか長いが)。ドラマ版を観ていなくても理解はできるが、観ていると数倍は感興が増すのは間違いなし。
この短評にはネタバレを含んでいます