ベイブルース ~25歳と364日~ (2014):映画短評
ベイブルース ~25歳と364日~ (2014)ストレートでしか表現できない良さがある。
生まれてからずっとお笑い好きの関西人である僕は、もちろん実際のベイブルースも、その余りに突然な幕切れもよく覚えている。亡くなった河本の相方・高山の原作・監督によるこの作品、多分にセンチメンタルではあるのだけれど、むしろストイックなまでに芸にこだわる執念が表に出て、泣きよりも深い地点に到達しているのが素晴らしい。なにしろ才能溢れる相方に「俺の精密機械になれ」と命令され、そのままツッコミマシーンを目指すような男が綴る物語なのだ! 映像的に凝った部分はほとんどないし、楽屋の出番表が今現在のものだったりと瑕瑾も多いが、波岡一喜&趙民和の熱度の高い演技が、漫才再現シーン含め心の震えを呼び起こす。
この短評にはネタバレを含んでいます