茜色クラリネット (2014):映画短評
茜色クラリネット (2014)゛大人病゛にかかっている映画界へ、子供たちが痛烈パンチ!
監督をはじめスタッフ&出演者は、札幌の中学生の映画制作ワークショップ参加者が中心。しかし、ナメてかかると火傷する。
物語は、札幌で蔓延している゛大人病゛を中学生が退治するファンタジー。その病はズバリ、夢や未来を信じなくなった、つまらん大人みたいな状態を指す。皮肉の効いた脚本に加え、技術に頼らず役者の躍動する姿を追ったカメラ、感動を煽るようなあざとい場面を排除した編集など作品そのものが゛大人病゛にかかっている今の映画界への抵抗のようで痛快やら、耳が痛いやら。
だが、やはり誰もが自分たちにもこんな時代があったと我が身を振り返るのではないか。「今どきの若者は…」と批判する前に、本作を見るべし。
この短評にはネタバレを含んでいます