チョコリエッタ (2015):映画短評
チョコリエッタ (2015)青臭い社会批判に終始するだけでは身も蓋もない
人生や世の中に辟易した不機嫌な女子高生と映画を偏愛する先輩男子が、ここじゃないどこか(?)を目指してビデオカメラ片手にあてどのない旅へ出る。
人間なんてまっぴら、大人なんてクソくらえ。視野の狭い主人公たちの偏屈な青臭さは、世間を知らない若者ゆえに仕方あるまい。だが、気になるのは作り手までもが彼らの精神年齢に成り下がっているように見受けられる点だ。
単刀直入すぎるフェリーニ作品の引用も含め、なんとなく数十年前の左翼にかぶれた学生の自主制作映画みたいな印象。若者の閉塞感を代弁した批判精神は分かるが、放射能まみれの小さな島国・日本なんてサイテー!と叫ぶだけでは身も蓋もあるまい。
この短評にはネタバレを含んでいます