千年の一滴 だし しょうゆ (2014):映画短評
千年の一滴 だし しょうゆ (2014)映画初めに相応しき、和食の真髄を追究した秀作
和食の基本たる出汁と醤油。だが、昆布などの食材は高値で家計を直撃し、つい安価な化学調味料に手を出してしまう。しかし、その値段の意味と価値を実証した本作を見れば納得。いかに職人の手間暇がかけられているか。和食がユネスコの無形文化遺産に登録された今こそ、私たちが知らねばならぬ和食の真髄がここにある。
昨今、日本文化や技術を紹介する番組が増えたが、「日本ってスゴイでしょ」という押し付けがましさが鼻につく。しかしホンモノの凄さは、余計な解説なくとも映像で十分伝わる。それは長年、カメラで職人の仕事を見つめてきた映像作家たちだからこそ到達出来た表現方法なのだ。
この短評にはネタバレを含んでいます