リピーテッド (2014):映画短評
リピーテッド (2014)毎朝の光景は繰り返しのようで少し違う
負傷ため記憶喪失になり、眠るとその日の記憶も失うヒロインが、自分の負傷の原因を探ろうとする。そんな技巧的な物語が、脚本家出身の監督ローワン・ジョフィを刺激したのに違いない。ヒロインが目覚めるたびに目にする、繰り返しのようでいてどこかが少し違う光景を緻密に積み重ねて、物語を紡いでいく。目覚めたときの、朝とも夕方とも判別できない光。その部屋を常に支配する静寂。前作「ブライトン・ロック」も夜の冷えた空気で魅了したが、本作の室内も空気はいつも冷えている。彼はニール・ゲイマンの「墓場の少年」映画化作の脚本を執筆中。監督は未定だが、こちらの夜の冷えた空気も楽しみ。
この短評にはネタバレを含んでいます