ハッピーエンドが書けるまで (2012):映画短評
ハッピーエンドが書けるまで (2012)『きっと、星のせいじゃない』が好きなら、これもオススメ
遅ればせながら日本公開されたジョシュ・ブーン監督(『きっと、星のせいじゃない』)のデビュー作。彼自身の生い立ちをモデルに、両親の離婚で崩壊しかけた家族の再生を描く。
別れた妻に執着し続ける父親、若い筋肉バカ男と再婚した母親、そんな両親のせいで恋愛を拒絶する長女と恋愛に臆病な長男。どことなく紋切り型に感じられるキャラ設定だが、その欠点を補うのは、家族全員が表現者(作家)である彼らの感受性豊かな言葉の力と生き生きとした俳優陣の演技だ。
処女作ゆえの力み過ぎは否めないものの、ままならぬ人生や一筋縄でいかない人間の感情を見つめる監督の温かく優しい視線は『きっと~』にも相通ずるものがある。
この短評にはネタバレを含んでいます