アース・トゥ・エコー (2014):映画短評
アース・トゥ・エコー (2014)ライター2人の平均評価: 3
思春期の切なさが未知なる遭遇で解放される現代版アンブリン映画
80年代アンブリン映画が、『SUPER8/スーパーエイト』を経て古典になった。これは、未知なるものとの出会いを通して大人の階段を昇る少年の成長譚だ。演出的にはモキュメンタリー、撮影はPOV方式。主人公は、SNSでつながりながらも普遍的な不安と切なさを抱く現代のティーン。彼らの恐れと不安が、精緻なVFXによるクライマックスによって解放される。未知の生命体「エコー」をデザインしたのは19歳のデザイナー。その造形は日本映画『ジュブナイル』のテトラを思わせるという声もあるが、ルーツは1981年版『タイタンの戦い』の“メカ・フクロウ”ブーボだろう。
キッズと地球外生命体は相性がいいね。
町の再開発で離ればなれになる運命の少年3人が最後の夜に砂漠の冒険に出発! という設定にまず『スタンドバイミー』的ノスタルジーを感じる。コンピュータやビデオカメラ、SNSを駆使するミレニアル世代であっても自転車でアクティブに行動する点も好感度大なキッズが想定外の出来事に遭遇し、ビビりながらもある目的のために心を一つにする展開は老婆心を刺激する。スピルバーグが『E.T.』で提唱した「宇宙人と仲良くしよう」スピリットは『SUPER8/ スーパーエイト』が継ぎ、本作は完全にオマージュ作品。そうそう、オウム型ロボット?という感じの地球外生命体のキュートさに宇宙人に対する人類の思考の進化が見えますね。