ベトナムの風に吹かれて (2015):映画短評
ベトナムの風に吹かれて (2015)活気溢れるベトナムを舞台にした老人介護奮闘記
ベトナムに暮らす日本語教師の独身女性が、痴呆症の年老いた母親を日本から引き取って一緒に暮らす。実話を基にした海外老人介護奮闘記といったところだろうか。
高度経済成長期の日本を彷彿とさせるベトナムの賑やかな活気を背景にした、昭和の下町人情喜劇のような笑いあり涙ありの作風は親しみやすい。ただ、介護問題に中年の危機、第二次世界大戦やベトナム戦争の傷跡など、様々な要素を詰め込みすぎている上に、なにもかもセリフやナレーションで説明してしまうのは問題。
さらに、後半では日本とベトナムの友好をことさら強調した結果、実話でありながら作為性が目立つことに。テレビの2時間特番的な印象は否めない。
この短評にはネタバレを含んでいます