マリーゴールド・ホテル　幸せへの第二章 (2014)：映画短評

　前作から約２年、いまだ改装されないままのインドの古いホテルを舞台に、すっかり異文化にも慣れ親しんできたイギリスのご老人たちが、改めて自分らしい老後の生き方を模索していく。
　今回はプライベートでもインドとゆかりの深いリチャード･ギアが新たに参加。天下の二枚目スターも、よく考えたらとっくに還暦を過ぎているわけで、ジュディ･デンチやマギー･スミスら大ベテランたちと微笑ましいアンサンブルを繰り広げてくれる。
　まあ、ストーリーは相変わらず他愛がないのだけれど、ガイドブックから抜け出てきたような美しいロケーションやボリウッド映画風のダンスシーンなどを楽しみつつ、名優たちの味わい深い演技を堪能したい。

多少の脚本のアラは、もはやどうでもいい。
”終活”をテーマにした作品で、生き様が姿カタチに現れているベテラン実力派俳優陣を起用。
ラストシーンに惚れ惚れ。
皆でバイクをかっ飛ばす姿のカッコイイこと！
（特にビル・ナイ）
これほど説得力あるキャスティングはないだろう。
さらにギア様投入で第二章の波乱の展開を予感させ、
恋が何よりの回春となることを強調。
この攻めの姿勢が嬉しいじゃないか。
何より明るい日差しが中庭に差し込み、
開放的な風が吹いているこのホテルに、
誰もが一度は訪れてみたいと憧れを抱くであろう。
そう観客に思わせるだけで、本作は大成功しているのだ。