ディーン、君がいた瞬間(とき) (2015):映画短評
ディーン、君がいた瞬間(とき) (2015)偉大な映画スターの素顔から普遍的な青春の苦悩が浮かび上がる
スター街道を歩み始めた新星ジェームズ・ディーンと無名の写真家デニス・ストック。一見すると対照的な若者2人の束の間の友情が描かれる。
当時は映画スターがまだスタジオの所有物であり、公私共に華やかな虚像を演じることが求められた最後の時代。俳優の仕事を心から愛しつつ、映画界の古いしきたりや束縛に馴染めず苦しんだディーンは、それゆえ才能をくすぶらせる同世代のストックに心を開いていく。
映画史に残る偉大なアイコンの人生の一部を切り取ることで、いつの時代も変わらぬ青春の迷いと葛藤が静かに浮かび上がる。見た目を似せることよりも、ディーンの繊細で複雑な内面に迫ることを優先したデイン・デハーンが好演。
この短評にはネタバレを含んでいます