葛城事件 (2016):映画短評
葛城事件 (2016)家父長的で強権的な毒父は現代っ子には重いだけ
成功したつもりで息子たちに自分の理想を押し付ける、三浦友和が演じる主人公が痛々しい。実際は人生のどこかで自分が小物と気づいていて、それを隠すためにさらに横暴にふるまう。あ〜やだやだ。強権的な毒父のせいで息子がダメ人間になるのはやや納得いかないが、負の父子関係からは哀しみしか生まれないという点は納得。昭和な父親像は情報力が多い今どきの若者にはもはや通用しないのだ。過剰に期待されても重いだけ。気になったのは、弱い母親と犯罪者となる次男と獄中結婚する女性。後者は家族関係を明らかにするための役回りだが、存在意義よりも気色悪さが先に立つ。刑務所のケースワーカーあたりでよかったのに。
この短評にはネタバレを含んでいます