光りの墓 (2015):映画短評
光りの墓 (2015)この光のやさしさはどこから来るのだろう
監督の前作「ブンミおじさんの森」は、夜と森が生み出す豊潤な影に満ちていたが、今回は芳潤な光に溢れている。光が、照りつけるのではなく、静かにその場を充たしている。その光によって色彩が輝く。眠り病の男たちが眠り続ける病院で行われる、光による治療。古の王女たちを祀る廟の鮮やかな像と供物。ここでは、今生きている人と昔生きていた人が出会って語り合い、夢の中の出来事も、起きている時の出来事も、同じ重さを持つ。この場所の柔らかさ、明るさと同じように、ここで話される言語の音の響きは、どこまでも柔らかくやさしい。そして今回も、まったくの異世界なのに、ただ忘れていたものであるかのような気配が漂っている。
この短評にはネタバレを含んでいます