青空エール (2016):映画短評
青空エール (2016)三木孝浩監督の本領発揮!
“一緒に甲子園に行こう”といえば「タッチ」だが、すぐに2人が恋愛に発展しない流れも、同様の流れを汲んでいる。ただ、ヒロインが野球部マネージャーとしてではなく、ブラバンとしてスタンドから応援する微妙な距離感。これこそ、繊細な演出と美しい映像が持ち味の三木孝浩監督の本領発揮だろう。それゆえ上野樹里を吹奏楽部の顧問役に持ってくるあざとさも、あまりの熱演ゆえに一人だけ浮いた志田未来の存在も許せる。改めて、『くちびるに歌を』のような変化球より、直球の方が巧い監督であることを実感。個人的に竹内涼真を初めていいと思った作品でもあるが、「キセキ」のカヴァーがあまりに薄っぺらに聴こえるのはいかがなものか?
この短評にはネタバレを含んでいます