心霊ドクターと消された記憶 (2015):映画短評
心霊ドクターと消された記憶 (2015)記憶が変わると世界の様相が変わる
なるほど、"記憶"というものを描こうとするとき、"映画"という媒体ほど適したものはない。スクリーンの上には主人公が見ているものが映し出されていくのだが、主人公の記憶はある事情によって事実とは異なるものに変形しているので、映し出されるものも事実の通りではない。主人公の記憶が変化していくのにしたがって、映し出されるものも変貌していく。そして、この謎解きの背後から、父と息子の物語が浮かび上がっていくる。この記憶の変形と謎解きミステリーを巧みに組み合わせた監督・脚本のマイケル・ペトローニは、「やさしい本泥棒」「イノセント・ボーイズ」の脚本家。長編監督第1作「記憶のはばたき」も記憶を巡る物語だ。
この短評にはネタバレを含んでいます