ピーチガール (2017)：映画短評

明らかにガングロでないヒロイン・もものキャラ設定から、17年の時代に合わせた映画化だが、堤幸彦～大根仁パイセンの元で修業を積んだ神徳幸治監督だけに、エンタメのツボは押さえまくり。しかも、“日本版『小悪魔はなぜモテる?!』”として観ると興味深く、エマ・ストーンばりにコメディエンヌっぷりを発揮する“山本美月革命”の兆しも？　とはいえ、完全に犯罪者な身内の件など、あの原作をまとめようとした強引さゆえ、恋のジェットコースターは大事故寸前。そんな窮地から救ったのは、伊野尾慧の存在。ドラマ「そして、誰もいなくなった」に続き、醸し出される彼のアヤしい雰囲気はフィクションの枠を超え、天性の才能をも感じさせる。