土竜の唄 香港狂騒曲 (2016):映画短評
土竜の唄 香港狂騒曲 (2016)ライター2人の平均評価: 3
笑いとエロと勢いで、七難隠す
数々の俳優たちの新境地を開拓してきた三池崇史監督。
生田斗真もその一人だが、今回はじゃじゃ馬娘を演じた本田翼。
最近の彼女は映画『少女』、ドラマ「地味にすごい」と影のあるクールな役がハマってるが、
そこに色香と気迫も加わって、仲里依紗と堂々タメを張る。
映画『起終点駅 ターミナル』の頃とは雲泥の差で、これだから女優は、突然”化ける”から面白い。
ほか菜々緒に鈴木砂羽と、前作のおっさんたちに代わり、女優陣の奮闘が目立つ本作。
つまり下ネタがパワーアップ。
その分、物語はいささか散漫になり、菊川怜二の強敵となるはずだった兜真矢(瑛太)の存在も薄れてしまったが、
間違いなく満腹感は得られるだろう。
菜々緒革命、いや覚醒!
『秘密』より、ずっといい生田斗真の前作に続く、全裸から始まる「チャイニーズマフィア編」。タイトルに入っていながら、香港は後半、実景撮影のみという『漂流街』を手がけた三池崇史監督ならではのハッタリ感や、古田新太演じる強敵・モモンガの存在感などは決して悪くない。だが、前作以上に、キャラが入り乱れ、スピーディに展開されるアホアホなノリについていけないと散々な目に遭うだろう。若干、堤幸彦テイストを感じるのも問題だ。そんななか、本作のMVPは確実にヒットガール役の菜々緒。パンチラ、スッポンからの白目、そして虎!と、三池監督の手により覚醒した彼女の“No.1悪女女優の向こう側”を目の当たりにした。