二度めの夏、二度と会えない君 (2017):映画短評
二度めの夏、二度と会えない君 (2017)タイムリープをモチーフにした青春映画の新たな佳作
『時をかける少女』や『サマータイムマシン・ブルース』など、タイムリープを用いた青春映画には佳作が少なくないが、本作もその一つに加わることになるだろう。バンド活動に明け暮れた忘れられない夏の終わり、想いを寄せる少女に告げた少年の一言が、全てを台無しにしてしまう。不思議な力により半年前へ逆戻りした少年は、あの最後の一言を撤回しようとするのだが…。
同じ夏を繰り返すことにより、少年は初めて愛と友情の意味を深く理解し、かけがえのない青春の儚さを知る。純朴さの中に知性をたたえた村上虹郎、天真爛漫でありながら繊細な少女を演じる吉田円佳。彼らの好演が、ファンタジーをただの絵空事にしない説得力をもたらす。
この短評にはネタバレを含んでいます