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帝一の國 (2017):映画短評

帝一の國 (2017)

2017年4月29日公開

帝一の國
(C) 2017フジテレビジョン 集英社 東宝 (C) 古屋兎丸/集英社

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

森 直人

いい企画ですなあ!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

遅ればせながら鑑賞。面白かった~。古屋兎丸の原作漫画をシンプルに再構成し(脚色上手!)、より「くっきり」した仕上がりに。アニメ的文体の実写版と言えるかも。その生命線&牽引力になるのが出力120%な菅田将暉の尋常なきオーバーテンションだが、彼の徹底性にキャスト全員がしっかり同期。快演・好演の嵐により「群像」としての魅力が沸騰している。

一昔前なら『花より男子』的なイケメンパラダイス学園物でもあるが、狂騒的なパワーゲームに同時代性が濃く滲む。昭和設定でのエリーティズムの極端な戯画化を起点としつつ、今の日本の(無思想な)「政治」や「階級」のリアルにがんがんタッチするのだ(もっと辛口でもいいけど)。

この短評にはネタバレを含んでいます
清水 節

学歴主義と民主主義のシステムを揶揄する菅田将暉の痛快コメディ

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 JK専用イケメン映画だろうと思い込み、父役・吉田鋼太郎に近い世代の視線から不安げに見始めたが、いい意味で実にバカバカしく痛快だ。上を目指し策をめぐらし、騙し騙される。設定は昭和でも本質的には今も変わらない。この国の学歴主義と民主主義のシステムを揶揄しつつ、笑いの間を心得て運ぶ演出は滑っていない。選挙における情緒的駆け引きを笑い飛ばす奇策「マイムマイム事変」の挿入も絶妙だ。振り切れても乱れない菅田将暉の多面的な表情には驚かされる。ウザい野村周平と清々しい竹内涼真の起用法も正しい。昭和世代なら植木等の「日本一シリーズ」現代版としても楽しめる。赤場帝一が首相になってからの忖度コメディを早く観たい。

この短評にはネタバレを含んでいます
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