パシフィック・ウォー (2016):映画短評
パシフィック・ウォー (2016)低予算だが人間ドラマは見応え十分な反戦映画
太平洋戦争の末期、広島と長崎へ投下する原爆の材料を送り届けた軍艦インディアナポリスが、その帰りに日本軍の潜水艇によって沈没させられたという史実を基に、太平洋のど真ん中に取り残された生存者たちの過酷なサバイバルが展開する。
低予算映画であることは明白。戦闘シーンのCGもかなり粗雑だ。これはいかんな…と思っていたら、沈没シーン辺りから作品の様相が一変。サメの群れに次々と仲間が食い殺され、飢えと渇きで誰もが衰弱していくという極限下での壮絶な人間ドラマが感動的に描かれるのだ。
また、終盤における元日本軍将校との和解を通じての反戦メッセージも胸を揺さぶる。それだけに、低予算の弱点が惜しまれる。
この短評にはネタバレを含んでいます