坂道のアポロン (2018):映画短評
坂道のアポロン (2018)セッションシーンは一見の価値アリ!
“何も残らなかった”前作『先生!』では危機感を感じたものだが、今回はしっかり残る三木孝浩監督作。一見ミスマッチにも思えた中川大志のバンカラキャラは悪くなく、先生の指の動きをトレースしてピアノを習得した知念侑李とのセッションシーンは素晴らしい。それによって、テーマである“音楽を奏でることの愉しさ”は十分伝わってくるが、BL寸前の野郎2人に挟まれた小松菜奈の使い方は、もったいない気がしないでもない。また、エピソードを端折った脚色により、郷愁感溢れる原作のテイストが薄味になってしまったことは否めない。レトロな色合いを求め、『モンガに散る』などの台湾青春映画の色合いを参考にしたこともあり、★おまけ。
この短評にはネタバレを含んでいます