アイスと雨音 (2018):映画短評
アイスと雨音 (2018)エモい!!
『ライブテープ』が吉祥寺なら、こちらは下北沢。『バードマン』がブロードウェイ裏の批評と奇想なら、本多劇場の裏と周りでまっすぐなティーン群像を差し出す。全編ワンカット、と言えば技巧先行の匂いがするが、本作で「ガチ」なのは直情性だ。初舞台の中止という突然の事態、自己表現の場の危機からある種の暴動・動乱が起動し、74分を怒涛に駆け抜ける。
監督・松居大悟の演出はいよいよ貫禄。『私たちのハァハァ』で試みたフェイクドキュ的応用、舞台演出や『バイプレイヤーズ』など、すべての経験値が着実に積み上がっているように思う。何より初々しい役者陣が(音楽のMOROHAも含めて)素晴らしく、クライマックスは涙腺崩壊!
この短評にはネタバレを含んでいます