はじめてのおもてなし (2016):映画短評
はじめてのおもてなし (2016)救うつもりが救われる? 移民受け入れを考えるきっかけに!
難民受け入れ数が極端に少ない日本に住んでいると移民・難民問題は遠いことに感じるが、ドイツでは庶民にとっても身近な存在なのにまず驚く。家族と故郷を失ったナイジェリアの難民青年を家に迎え入れたことで崩壊寸前だったドイツ人一家が徐々に絆を取り戻す展開も、共感できるエピソードを積み重ねているのですんなりと受け止めてしまう。難民というシリアスなテーマを扱いながらもコメディに徹した監督の姿勢がいい。人生観がずれた夫婦や仕事はできても父親失格な長男、視野は狭いながらも心はオープンな少年といったキャラクター設定がよくできているので、カルチャーギャップに頼らずとも自然な笑いが生まれている。
この短評にはネタバレを含んでいます