輝ける人生 (2017):映画短評
輝ける人生 (2017)オバサン・パワーが炸裂する痛快な人生再生ドラマ
保守的な価値観の根強いイギリスにおける女性の自立と解放を描くという意味で、これは『リタと大学教授』や『旅する女シャーリー・バレンタイン』の系譜に連なる作品と言えるだろう。主人公は35年間連れ添った夫の浮気が原因で家を飛び出した上流階級の専業主婦サンドラ。独身の姉ビフのもとへ転がり込んだ彼女は、お金はなくとも自由に人生を謳歌する姉やその友人との交流を通じ、いかに自分が結婚・妻・母親という概念に縛られていたのかに気づき、夫の地位や名誉がなければ自分など何者でもないことを思い知らされる。そんなサンドラが長年のしがらみから解き放たれ、強く逞しく自分の人生を取り戻す。炸裂するオバサン・パワーが痛快だ。
この短評にはネタバレを含んでいます