負け犬の美学 (2017):映画短評
負け犬の美学 (2017)お父さん世代が共感できる名もなき中年ボクサーの生き様
愛する妻子のために殴られ続ける負け犬ボクサーの意地とプライドを描くフランス映画。さながら『ゴングなき戦い』×『チャンプ』といったところか。ボクシングの世界に限らず、頂点で華々しくスポットライトを浴びることが出来るのは、ごく一握りの成功者だけ。ほぼ無名のまま消えていく人の方が圧倒的に多いわけだが、しかしサミュエル・ジョイ監督は「彼らがいなければプロボクシングの世界は存在しない」と語る。そんな、ある意味で縁の下の力持ち的な男が、父親として我が子にどのような生き様を示すのかが見どころ。お父さん世代なら思わず胸を熱くすることだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます