リグレッション (2015):映画短評
リグレッション (2015)記憶と妄想の境界が失われていく
記憶と妄想の境界線はどこにあるのか。閉鎖的な小さな町で誰が言い始めたわけでもなく囁かれる噂には、何か事実を反映している部分があるのか。そういう区別できないものについての物語が、常に曇天であたりが薄暗く、あらゆるものが輪郭を失っていく情景の中で描かれていく。
「オープン・ユア・アイズ」で夢と現実の境界の曖昧さを描いたアレハンドロ・アメナーバルが、2001年の「アザーズ」以来、久々にこの分野に復帰。エマ・ワトソン、イーサン・ホーク、デヴィッド・シューリスら人気俳優が集まっているのは、心理の危うさを描く彼の脚本に魅了されたからだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます