台北暮色 (2017):映画短評
台北暮色 (2017)台北に住む人の息遣いが聞こえてきそう
台北のとあるアパートに住む女性と大家の息子、アパートの修理をする青年の日常を切り取った物語には大事件は発生しない。しかし日々の暮らしの中で起きるちょっとした出来事や会話、行動から浮かび上がる彼らの悩みや思いにぐいぐい惹きつけられる。ホアン・シー監督が焦点を当てたのは、言い古された言葉だが、等身大の人間の生活だ。そして3人の人生を見つめる彼女の視線が温かいこともあり、「生きるって、こういうことだよな〜」と心底、納得。映像は繊細で美しく、切り取って絵ハガキにしたいようなシーンが多数。今にもスクリーンから台北に住む人の息遣いが聞こえてきそう、そんな気分になった。
この短評にはネタバレを含んでいます