パピヨン (2017):映画短評
パピヨン (2017)フレディ役より前に撮ったけど、何か通じるものがある
まわりから見れば才能のある男なのに、どこか自分に対して自信がなくコンプレックスとともに生きるという、フレディ・マーキュリー役と重ねながら観ると、今作のラミ・マレックの演技はしみじみと味わい深い。
思わず目を背けたくなる強烈シーンを変更するなど、オリジナル版との相違も探すことが可能だが、その比較はあまり意味がない作品でもある。物語の中心をなす過酷な「脱獄」以上に深くしみわたるテーマは男同士の濃厚な絆であり、40年以上経た今作もテーマはきっちり貫かれ、オリジナル版の偉大さを改めて際立たせた。つまり、良くも悪くも忠実なリメイクなので、まっさらな心でこの物語に向き合う人には素直にオススメしたい。
この短評にはネタバレを含んでいます