世界の涯ての鼓動 (2017):映画短評
世界の涯ての鼓動 (2017)同じものを真逆の方向に追求する2人は出会えるのか
生命とは何か。生きるとはどういうことなのか。それを追求する2人が、一人は海洋生物数学者としてミクロな方向に進み、データとして追求していく。もう一人は政府の諜報員としてマクロな方向に進み、国際紛争の渦中に身を投じていく。その真逆な方向に進む2人が、突き詰めれば同じものを追っているゆえに、究極のところで繋がり合うのか、それともそうはならないのか。そういう物語なので、双方ともが追求する世界を、同じ強度で視覚化する映像が見たいところだが、数学者の追求するものの方が映像化が難しいのかもしれない。そんな両者が少しずつ惹かれ合い近づいていくときに、2人の背後に広がるまだ寒い海辺の風景が厳しく美しい。
この短評にはネタバレを含んでいます