レディ・マエストロ (2018):映画短評
レディ・マエストロ (2018)クラシック音楽界の旧弊さに驚きました
女性の社会的立場が現代よりも格段に低かった1920年代に「指揮者になる!」という夢を追い続けた音楽界のパイオニア、A・ブリコの情熱とパワーに圧倒される実話だ。家族関係や恋愛パートなどは脚色もあるようだが、女性であるがゆえに味わう屈辱や差別も描かれ、女性としての連帯意識が芽生える。時代こそ違うが、愛とキャリアの狭間で悩む姿に共感する女性は多いはず。彼女をサポートした友人の描きかたもとても今っぽく、世間になかなか受け入れられないアウトサイダーの偏見と無縁の思考こそが時代を切り開くと思わせる。ただし、エピローグで知らされる事実でクラシック音楽界の旧弊さを知り、驚愕するやら、呆れるやら。
この短評にはネタバレを含んでいます