無垢なる証人 (2019):映画短評
無垢なる証人 (2019)ソン・ガンホを超えたチョン・ウソンの熱血弁護士
近年は殺伐とした世界で生きる役ばかりだったチョン・ウソンが、自閉症という設定ゆえ、『神と共に』の元気娘と違うアプローチの芝居を魅せるキム・ヒャンギ相手に、心優しき弁護士を演じる。それだけでも、間違いなく“いい映画”なのだが、『パラサイト』のソン・ガンホを抑え、青龍映画賞の男優賞を受賞したのも頷けるウソンのナイスガイっぷり! キャラ紹介に時間を割く前半こそ、やや単調に思えるが、15歳の証人との交流を丁寧に描く中盤から、論破していく法廷劇にかけての展開は、目が離せなくなる。もう、ひと捻り欲しかった感もあるが、とにかくヒロインの「あなたはいい人ですか?」というセリフが心に染みる。
この短評にはネタバレを含んでいます