プリズン・サークル (2019):映画短評
プリズン・サークル (2019)更生の意味と刑務所の役割を考えさせられる
犯罪者を罰するのではなく更生させることを目的とし、彼らが自身の問題と向き合って社会復帰できるようサポートする。そんな新しい取り組みをする島根県の刑務所に密着取材をしたドキュメンタリーだ。そうした刑務所が海外に存在することは知っていたが、日本でも同様の試みが行われ始めているとは思わなかった。中でも特に注目すべきが、日本ではまだこの施設だけでしか実施されていないという教育プログラム「TC(回復共同体)」。受刑者グループが自分たちで犯罪の原因を話し合い、更生への道を探っていく。暴力は暴力を、憎しみは憎しみを生み出すだけ。その負の連鎖を断ち切るシステムは、他所でも導入されて然るべきだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます