猿楽町で会いましょう (2019):映画短評
猿楽町で会いましょう (2019)そのタイトルに騙されるな!
そのタイトルやメインヴィジュアルなどから、お洒落な恋愛映画を想像させながら、登場人物それぞれの本性が、どんどん剥き出しになっていく恋愛地獄っぷりに驚愕。構成だけでなく、人間関係をリアルに深堀していく意地の悪さは、吉田恵輔監督作『机のなかみ』を思い起こさせるほどのヤバさだ。もちろん、ある意味ファムファタール役回りを果たす石川瑠華を愛でる映画ともいえるが、終始受けの芝居を魅せる金子大地の役者としての成長にも唸らされる。長編デビュー作ゆえに、もうちょい切っても良かったと思わせる児山隆監督のジレンマも感じつつ、ミステリアスで不穏な演出など、今後の期待もあり、★おまけ。
この短評にはネタバレを含んでいます