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はりぼて (2020):映画短評

はりぼて (2020)

2020年8月16日公開 100分

はりぼて
(C) チューリップテレビ
中山 治美

闇はもっと深く……さらなる追及を期待

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

惹句通り、本作は日本の政治の縮図だ。いや、より中央の問題点を色濃く写し出す。権力を笠に増長した保守大国は完全なる男社会で、女性議員の少なさに愕然。そして彼らの顔色を伺い見て見ぬふりどころか、不正に加担していることの自覚すらない人のなんと多いことか。不正が発覚して涙ながらに謝罪する市議たちの姿は滑稽だが、日本の政治が、社会が変わらぬ理由が詰まっているようで、暗澹たる気持ちにさせられる。要因の一つにメディアの問題もありラストで匂わす。ただ自戒を込めてこのタイトルにしたのなら、もっと自分たちにカメラを向けるべきでは? 東海テレビの「さよならテレビ」に匹敵する傑作になったであろうに、残念でならない。

この短評にはネタバレを含んでいます
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